4週8休の導入で建設業界はどう変わるのか?

1年間で11ヶ月しか働きたくない!

もし、私が1年間の内11ヶ月しか働きたくない!1ヶ月間は長期旅行に行くために会社員を辞めてフリーランスになる!と言ったら、どう思いますか?

  • あほちゃうか?
  • 理想的だ(理想と現実は違う)
  • 甘いなぁ
  • うらやましい
  • 無責任
  • そんなのうまくいくはずがない
  • 信用が落ちる

など、様々な感情が沸き上がると思います。実はこれは本当にあった話で、私の友人が、そういう理由でフリーランスのSEになりました。これはその時に私が感じた感情です。

さて、話は変わって建設業もR6年から4週8休が始まります。おそらく発注担当者は、工事が始まると工程表の確認時や夏休み工事が佳境に差し掛かった時、または工期末に差し掛かった時に「4週8休が始まったので気を付けてくださいね。難しい時は早めに相談してくださいね」と念押しすると思います。

4週8休って、何だと思いますか?

平たく言えば「週休2日制」です。

今まで建設業の休日は、赤日と言われる「日曜日」と「祝日」だけでした。

(※お盆、年末年始は除く)

4週8休をもう少し掘り下げてみましょう。学校大規模改修を例にします。

6月20日に契約し、翌年2月末を工期末とすると、工事期間は8ヶ月と10日となります。

30日×8ヶ月+10日 = 250日÷7日/週 ≒ 約35週となり、今まで日曜日だけの休みが土曜日の1日追加されるため、同じ工期では35日、約1ヶ月休みが増えることになります。

ここで再度、「1年間で11ヶ月しか働きたくない!1ヶ月間は長期旅行に行く」という話を聞くとどう感じますか?

4週8休が始まるということは、今まで通りの発注内容では、工事工期が1ヶ月短縮されるのと同じことなのです。

効率的な働き方が求められる時代

おそらく発注側は「今まで以上に効率的に!」や「DXの活用」などの言葉をかけるでしょうし、受注側企業も意識改革や業務改善が必要です。

しかし、建築業の現状はどうでしょうか。多くは高齢化や人材不足など、どこも現状維持もままならないのが実情です。また、経営側から見ると金銭面や労働環境の条件向上など、なかなか設備投資する余裕はありません。

未来の建設業界を見据えて

今後は、設計や工事も同じ内容では同じ工期で作業はできないことになります。同じ工期では人工が増えるため金額が増加し、金額(予算)が増えないのであれば、作業内容を減らす(2期工事から3期工事へ)など発注側の工夫や対応も必要になってくるでしょう。

図面のCAD化が始まった時期、手書きからCAD化へ対応できない企業が淘汰された話もありましたが、一度産業が途絶えると、その地でまた同じ産業が復活して根付くことはおそらくありません。今の地域建設業を未来に継承するために、公共事業が下支えする役割はとても大きいと思います。

このまま市内の施工業者や設計事務所の10年後、15年後の未来はどう見えますか?次の世代(後継者)が見えますか?

ぜひ、今まで通りという考え方や見方だけでなく、どうすればこの地域建設業が活性化し、魅力ある業種になるのかを考えて、若者が活躍できるキラキラ・ワクワクする業種になるよう一緒に考え、改善していければと思います。

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